麻酔を注入する速度が速いと、細胞が膨張して痛みの原因となります。当院では、電動麻酔注射器を用いて注入速度を一定にすることで、痛みの軽減に努めています。

注射針は細ければ細いほど痛みを軽減する効果があります。当院では、現在発売されている針の中でも極細のもの(33G)を使い、痛みを抑えています。

事前に麻酔針を刺す部位に麻酔液をしみこませることで、注射時の痛みを軽減します。

歯を削る量を最小限に抑えるには、治療部位の確認が大切です。当院では、肉眼の何倍にも視野を拡大する高倍率拡大鏡を使い、ミクロン単位での治療精度が求められる歯の治療を行います。必要以上にむし歯以外の歯質を削らないようタービン（切削機械）は極力使用しません。手用の切削器具を使い必要な部分だけを削るように努めています。

う蝕検知液（虫歯検知液）でむし歯組織のみを赤く染め出し、残ったむし歯組織の見落としや削り過ぎを回避します。

むし歯を削るときは超極細のバーを使用します。細いバーほど繊細な操作ができるので余分な歯質切削を抑えられます。切削時の不快な振動も抑制することが可能です。

当院では高精度の歯科用CTを導入し、3次元的な診断を行っています。CTによる診断の正確性は従来のレントゲンの10倍以上といわれています。歯の根の数・形・長さの正確な測定や、神経や根の周りの病巣の診察が可能なので、骨が溶けている様子なども確認できるようになりました。

再植（意図的再植）とは、歯の根の先に病巣がある場合に、意図的に歯を抜いてお口の外で直接患部を治療し、再び歯を戻す治療法です。

通常の根管治療では改善が難しいケースや、歯根端切除術が適応ではないケースで、選択肢に入ります。意図的に歯を抜くことで患部を直接治療できるので、歯を残せる可能性があります。歯の根は歯根膜という細胞の膜で覆われており、膜の細胞が死ななければ、一度歯を抜いても高い確率で元に戻ります。抜いた歯はすぐ細胞培養液に浸し、歯根膜の細胞が死なないよう1時間以内に治療を終わらせます。

歯根端切除術とは、歯ぐき側から直接歯の根の先にある患部を取り除く外科処置です。感染部を取り除いたあとに歯の根の先を切って、殺菌力と骨と歯を再生する力のあるMTAセメントを詰めます。

治療後は感染部の骨が時間をかけて再生しますので、適切に処置を行うと高い確率で抜歯を避けることができます。